指数不等式:まず底を見よう
指数不等式とは、2ˣ > 8 のように、未知数が指数(右上の小さい数)にある不等式です。
ステップ1:両辺を同じ底にそろえます。2ˣ > 2³。
ステップ2:指数どうしを比べます。ここで底が決め手になります。
- 底が1より大きい(2や10など):曲線は右上がり。不等号はそのまま。2ˣ > 2³ なら x > 3。
- 底が0と1の間(½など):曲線は右下がり。不等号は逆向き。(½)ˣ > (½)³ なら x < 3。
累乗は0にも負にもなりません。だから 2ˣ > −5 はどんなxでも成り立ち、2ˣ < −5 は決して成り立ちません。
かくれた2次不等式:4ˣ − 3·2ˣ + 2 < 0 では t = 2ˣ (t > 0)とおきます。すると t² − 3t + 2 < 0 なので 1 < t < 2、よって 0 < x < 1。
対数不等式:まず真数条件
対数は「何乗すればこの数になる?」に答えるものです。2³ = 8 なので log₂ 8 = 3。対数は、中の数(真数)が0より大きいときだけ存在します。
loga f(x) < loga g(x) を解く手順:
- 条件(定義域)を書く:f(x) > 0 かつ g(x) > 0。
- 底が1より大きい:向きはそのまま、f < g。底が0と1の間:向きを逆にして、f > g。
- 答えと条件を合わせる(両方に入っている部分だけを取る)。
例:log₂(x − 1) < 3。条件:x > 1。比べると x − 1 < 8、よって x < 9。答え:1 < x < 9。
ふつうの数は対数に直せます。たとえば 3 = log₂ 8。
無理不等式(根号をふくむ不等式)
無理不等式とは、√(x + 2) < x のように、未知数が根号の中にある不等式です。平方根は決して負にならず、根号の中も負にはできません。
√f < g の場合(根号が小さい)。次の3つが同時に成り立つ必要があります:f ≥ 0、g > 0、f < g²。
√f > g の場合(根号が大きい)。道は2つあり、「または」でつなぎます。
- g < 0 かつ f ≥ 0(0以上の根号は、負の数にいつも勝つ)、または
- g ≥ 0 かつ f > g²。
両辺が負でないとわかっていないときは、2乗してはいけません。2乗してよいのは、そのときだけです。
例:√(x + 2) < x。条件 x ≥ −2。x > 0 も必要。2乗すると x + 2 < x²、つまり x² − x − 2 > 0 なので x > 2 または x < −1。x > 0 と合わせて、答えは x > 2。
答えは必ず確かめよう
答えの中の数を1つ、外の数を1つ選び、もとの不等式に入れてみましょう。中の数では成り立ち(TRUE)、外の数では成り立たない(FALSE、または「使えない」)はずです。3Dの盤面では、緑の帯が成り立つ範囲、赤い帯が使えない範囲です。
いろいろな式がまざった問題では符号表を使います。各部分の符号が変わる点に印をつけ、あいだの区間ごとに数を1つ試して、成り立つ区間を残します。
やってみよう:予想してから確かめる
3Dの盤面で 2^x > 4 を選びます。動かす前に予想しましょう。x = 1 は緑の帯の中にありますか?テスト用のxを1に動かして、TRUEかFALSEかを読みます。次に (1/2)^x > 4 を選び、x = 1 でもう一度予想します。家でできる実験:紙を半分に折ることをくり返します。5回折ると 2⁵ = 32 枚になります。何回折ると1000枚より多くなるでしょう?(2ˣ > 1000 より、10回です。)
重要な公式と用語
- a > 1: aᶠ > aᵍ ⇔ f > g
- 0 < a < 1: aᶠ > aᵍ ⇔ f < g
- a > 1: logₐ f > logₐ g ⇔ f > g > 0
- 0 < a < 1: logₐ f > logₐ g ⇔ 0 < f < g
- √f < g ⇔ f ≥ 0, g > 0, f < g²
- √f > g ⇔ (g < 0, f ≥ 0) or (g ≥ 0, f > g²)
例題
1. 3ˣ > 27 を解きなさい。
27 = 3³ なので 3ˣ > 3³。底3は1より大きいので、向きはそのまま:x > 3。
2. (1/2)^(x − 1) ≥ 1/8 を解きなさい。
1/8 = (1/2)³。よって (1/2)^(x − 1) ≥ (1/2)³。底は0と1の間なので向きを逆にして、x − 1 ≤ 3、よって x ≤ 4。
3. log₂(x − 1) < 3 を解きなさい。
条件:x − 1 > 0 なので x > 1。3 = log₂ 8 だから x − 1 < 8、よって x < 9。答え:1 < x < 9。
4. log_{1/3}(2x − 1) > −1 を解きなさい。
条件:2x − 1 > 0 なので x > 1/2。−1 = log_{1/3} 3 と書く。底は1より小さいので向きを逆にして、2x − 1 < 3、よって x < 2。答え:1/2 < x < 2。
5. 4ˣ − 3·2ˣ + 2 < 0 を解きなさい。
t = 2ˣ (t > 0)とおく。t² − 3t + 2 < 0 なので (t − 1)(t − 2) < 0、よって 1 < t < 2。つまり 2⁰ < 2ˣ < 2¹ なので 0 < x < 1。
6. √(x + 2) < x を解きなさい。
x + 2 ≥ 0(x ≥ −2)、x > 0、x + 2 < x² が必要。最後の式から x² − x − 2 > 0、つまり (x − 2)(x + 1) > 0 なので x > 2 または x < −1。x > 0 と合わせて:x > 2。
7. √(x + 2) > x を解きなさい。
道1:x < 0 かつ x + 2 ≥ 0 なので −2 ≤ x < 0。道2:x ≥ 0 かつ x + 2 > x² なので x² − x − 2 < 0、よって −1 < x < 2、つまり 0 ≤ x < 2。合わせて:−2 ≤ x < 2。
8. log₂ x + log₂(x − 2) ≤ 3 を解きなさい。
条件:x > 0 かつ x − 2 > 0 なので x > 2。まとめると log₂(x(x − 2)) ≤ 3、よって x² − 2x ≤ 8、x² − 2x − 8 ≤ 0、(x − 4)(x + 2) ≤ 0 なので −2 ≤ x ≤ 4。条件と合わせて:2 < x ≤ 4。
よくある間違い
- 底が0と1の間なのに、不等号の向きを逆にし忘れる。まず底をちらっと見る習慣をつけよう。
- 対数の真数条件を飛ばす。式の計算結果が広くても、log(x − 1) は x > 1 が必要。
- g が負のときに √f > g の両辺を2乗してしまう。負の g は、どんな根号の値よりもすでに小さい。
- 2ˣ = t とおいて t > 0 を忘れる。2の累乗は0にも負にもならないので、t ≤ 0 は捨てる。