広告の考え方と流れ
広告とは、はっきりした広告主が、考えや商品・サービスを、お金を払って、不特定多数に向けて伝えることです。お金を払う:会社が広告の場所や時間を買います。不特定多数向け:1つのメッセージを多くの人に送ります。はっきりした広告主:だれが話しているかがわかります。
広告の流れ
- 目的(知らせる、納得させる、思い出させる)とターゲットとなる人たちを決める。
- 予算を決める。
- メッセージ(言葉、絵、キャッチコピー)をつくる。
- 媒体と具体的な媒体先を選ぶ。
- キャンペーンを実施する。
- フィードバック(覚えている人の数、クリック数、売上)をはかる。
目的とターゲット
ターゲットとは、会社が届けたい相手のグループです。買う人、使う人、買うかどうかに影響する人(子ども向け商品なら親など)がいます。伝達の目的は3段階あります。知る(気づいてもらう)、感じる(ブランドを好きになってもらう)、行動する(実際に動いてもらう)。
広告の働きとAIDAモデル
- 知らせる:新商品、値段、使い方を伝える。
- 納得させる:ほかのブランドではなく、このブランドを選ぶ理由を示す。
- 思い出させる:知っているブランドを、人の頭に残し続ける。
- ブランドイメージをつくる:ブランドの雰囲気や個性をつくる。
- 販売員や販売店を助ける:お客さんが商品をすでに知った状態で来てくれる。
- 社会にとって:無料のメディアをお金の面で支え、公共のメッセージも広められる。いっぽう、人をだましたり、買いすぎをあおったりすることもある。
AIDA
よい広告は、人を4つのステップで動かします。Attention(注意)(目を引く)、Interest(関心)(自分に関係あると思わせる)、Desire(欲求)(ほしいと思わせる)、Action(行動)(買う、電話する、クリックするなど、何をすればよいかをはっきり伝える)。
広告の種類と形
種類(目的で分ける)
- 商品広告:1つの商品を売るための広告。
- 企業広告(コーポレート広告):会社全体のイメージをつくる広告。
- 公共広告:交通安全や節水などの社会へのメッセージ。
- 比較広告:ライバルと比べる広告(公平で事実でなければならない)。
- 商品の成長段階による分け方:知らせる広告、納得させる広告、思い出させる広告。
形(媒体で分ける)
- 印刷:新聞、雑誌、チラシ。
- 放送:テレビとラジオ。
- 屋外・交通:看板、バスや地下鉄の広告。
- オンライン:検索広告、SNS、動画、バナー広告。
- 売り場:店内のディスプレイ。
- 映画とプロダクトプレースメント:映画や番組の中にブランドを登場させる。
広告媒体と媒体先
媒体とは、チャンネルの種類のことです(テレビ、新聞・雑誌、ラジオ、屋外、インターネット、映画)。媒体先(サポート)とは、その中の具体的な1つです。たとえば、ある新聞1紙、あるテレビ局1つ、あるアプリ1つです。
選び方
- 到達人数:何人が見るか。
- ターゲットとの相性:見てほしい人が見るか。
- 接触頻度:何回くらい見るか。
- 費用と1000人あたりの費用(CPM) = 費用 ÷ 受け手の人数 × 1,000。
- メッセージの種類:音と動きならテレビ、くわしい説明なら印刷、クリックさせたいならオンライン。
メディアプランとは、目的を予算内で達成するために、いくつかの媒体を組み合わせる計画です。
ダイレクトマーケティング・販促・スポンサーシップ・イベント
ダイレクトマーケティング
名前のわかる1人に直接話しかけ、返事をもらう方法です。メール、SMS、カタログ、電話、アプリの通知などがあります。顧客データベースを使い、効果をはかりやすい反面、プライバシーと本人の同意を守る必要があります。
販売促進
「今買う理由」を短期間だけ足す方法です。値引き、クーポン、無料サンプル、2つ買うと1つおまけ、コンテスト、ポイント、キャッシュバックなどがあります。売上はすぐ上がりますが、やりすぎるとブランドの価値が下がります。
スポンサーシップ
ブランドが、スポーツチーム、イベント、番組、社会活動などに、お金や物を出して支え、その名前を見てもらうことです。イメージと好感度を育てるもので、すぐに売上が上がるものではありません。
イベント
会社が自分で体験の場をつくることです。新商品の発表会、展示会のブース、巡回イベント、お祭りなどがあります。人びとは商品を試し、ブランドと出会えます。
広報(PR)
ニュース記事やプレスリリースを通して、世の中やメディアとよい関係をつくることです。広告のように場所を買うことはしません。
やってみよう
家で広告を1つ見つけよう(テレビ、新聞、スマホのどれでもOK)。その広告のターゲットを書き出し、AIDAの各ステップがどこにあるか印をつけます。そのあと、3Dの自由あそびで媒体をすべてタップして、CPMがいちばん低いものを探そう。そして考えてみよう。いちばん安い媒体は、この広告が届けたい人に届くだろうか?
重要な公式と用語
- 広告 = 有料 + 不特定多数向け + はっきりした広告主 + マスメディア
- 流れ:目的とターゲット → 予算 → メッセージ → 媒体 → 実施 → フィードバック
- AIDA:Attention → Interest → Desire → Action
- CPM(1000人あたりの費用) = 費用 ÷ 受け手の人数 × 1,000
- 媒体 = チャンネルの種類、媒体先 = 具体的な1つ
- プロモーションの手段:広告、ダイレクトマーケティング、販売促進、スポンサーシップ、イベント、PR
例題
1. 新聞広告の費用が₹60,000で、読者2,00,000人に届きます。CPMを求めましょう。
CPM = 60,000 ÷ 2,00,000 × 1,000 = 読者1000人あたり₹300。
2. 市バスの会社が「ヘルメットをかぶろう」という広告を出しています。これは何の広告でしょう?
公共広告です。商品ではなく、社会へのメッセージを伝えているからです。
3. 新しい日焼け止めの広告:明るい海辺の写真、「8時間日焼けしない」の一文、楽しそうな家族、そして「今日注文で20%オフ」。AIDAに当てはめましょう。
Attention = 明るい海辺の写真。Interest = 「8時間」という事実。Desire = 太陽の下で楽しむ家族。Action = 「今日注文で20%オフ」。
4. ラジオ:リスナー2,00,000人で₹40,000。SNS:閲覧者5,00,000人で₹50,000。CPMが低いのはどちらでしょう?
ラジオのCPM = 40,000 ÷ 2,00,000 × 1,000 = ₹200。SNSのCPM = 50,000 ÷ 5,00,000 × 1,000 = ₹100。SNSのほうが低いです。
5. ジュースのブランドが、マラソン大会で無料の1杯を配り、ランナーのゼッケンにロゴを入れました。2つの手段の名前を答えましょう。
無料の1杯 = 販売促進(無料サンプル)をイベントで行う。ゼッケンのロゴ = スポンサーシップ。
6. 20年売られているシャンプーが、「やっぱりこれ。」という短い広告を出しました。これは何の広告で、なぜでしょう?
思い出させる広告です。商品はよく知られている(成熟期)ので、説明するのではなく、頭に残し続けることが目的だからです。
よくある間違い
- あらゆる販促を「広告」と呼んでしまう。割引クーポンは販売促進、シャツのロゴはスポンサーシップです。
- 到達人数がいちばん多い媒体だけを選ぶ。ターゲットが見ることと、費用が合うことも大切です。
- 媒体と媒体先をまちがえる。「新聞」は媒体、名前のある新聞1紙は媒体先です。
- 「行動」のステップを忘れる。次にすることがはっきりしない広告は、せっかく集めた注意をむだにします。