3Dモデルとは?
3Dモデルとは、形を3つの方向、つまり幅(x)、高さ(y)、奥行き(z)で表したものです。コンピューターはそれを数字として保存します。
- 頂点:x、y、zの座標を持つ1つの点。
- 辺:2つの頂点を結ぶまっすぐな線。
- 面(ポリゴン):辺で囲まれた平らな面。ふつうは三角形か、四角形(クワッド)。
- メッシュ:頂点・辺・面をすべて合わせたもの。
立方体は頂点8個、辺12本、面6枚です。穴のない単純な立体なら、V − E + F = 2(オイラーの公式)が成り立ちます。確かめると 8 − 12 + 6 = 2。
3Dモデリングの種類
- ポリゴン(メッシュ)モデリング:ゲーム、映画、VR向け。
- CADのソリッドモデリング:mm単位で正確な寸法を決める、工業・製品向け。
- スカルプト:粘土のように面を押したり引いたりする方法。キャラクター向け。
- 3Dスキャン:本物の物体をメッシュに写し取ること。
モデルを作る:プリミティブ・変形・押し出し
たいていのモデルはプリミティブから始まります。立方体、球、円柱、円すい、平面などです。
変形(トランスフォーム)
- 移動(translate):x、y、zの方向に位置を変える。
- 回転:ある軸のまわりに角度だけ回す。
- 拡大縮小:大きくしたり小さくしたりする(×2ならすべての長さが2倍)。
ボックスモデリング
まず箱を用意して、次のように進めます。
- 面を押し出して、新しい部分(腕や取っ手など)を作る。
- インセット/ループカット:細かく作りたい場所に辺を増やす。
- 細分化/スムーズ:面をもっと小さい面に分けて、形を丸く見せる。
CADでは、正確な寸法で2Dのスケッチを描き、それを押し出したり回転させたりして立体にすることがよくあります。ほかの道具には、ブーリアン(2つの形を合わせる、引く、重なりだけ残す)、フィレット(角を丸める)、ミラー(反対側にコピーする)があります。
モックアップと試作品
デザイナーは、まず厚紙や発泡スチロールの簡単なモックアップでアイデアを確かめ、次に3Dモデル、最後に3Dプリントした試作品で大きさやぴったり合うかを試します。
マテリアル・ライト・カメラ・レンダリング
メッシュだけでは、ただの灰色の形です。絵にするには次のものを加えます。
- マテリアル:色、つや、ざらざら感、透けるかどうか。
- テクスチャ:表面に貼る画像(木目や肌など)。貼るために広げた平らな図をUVマップといいます。
- ライト:太陽光、点光源、スポットライトが、明暗と影を作る。
- カメラ:本物のカメラのように、見る向きを決める。
レンダリングとは、これらをもとにコンピューターがすべてのピクセルの色を計算することです。ゲームはリアルタイム(1秒に約60枚)でレンダリングします。映画では、もっと時間をかけてよりリアルに描く方法を使い、1コマに数分かかることもあります。モデルをアニメーションさせたり、VRやARで見せたりすることもできます。
3Dプリント(積層造形)
積層とは、材料を足して、1層ずつ積み上げて作ることです。(旋盤のように材料を削り取る方法は除去加工といいます。)
- モデルを設計し、ファイルに書き出す(STLや3MFが多い)。
- スライサーというソフトが、モデルを薄い水平の層に切り、ノズルの動く道すじを決める。
- プリンターが下から上へ作っていく。FDM方式では、熱いノズルがプラスチックのフィラメント(PLAなど)を溶かして、各層を描く。
層の高さは0.1〜0.3 mmが多いです。層が薄いほどなめらかですが、時間がかかります。層の数 = 高さ ÷ 層の高さ。高さ24 mmのモデルを1層0.2 mmで作ると、24 ÷ 0.2 = 120層です。
張り出した部分にはサポートが必要です。インフィル(たとえば20%)は、中を軽い模様で埋めて、プラスチックを節約するものです。使い道:試作品、交換部品、医療用の模型、義手、コンクリートで建てる家まであります。
重要な公式と用語
- 頂点 = 点 (x, y, z);辺 = 2つの頂点を結ぶ線;面 = 平らな面
- V − E + F = 2(単純な閉じた立体)
- 変形 = 移動 (translate) + 回転 + 拡大縮小
- 押し出し = 面やスケッチを3Dに引き出すこと
- レンダリング = モデル + マテリアル + ライト + カメラから最終の絵を計算すること
- 層の数 = モデルの高さ ÷ 層の高さ
- 積層 = 材料を1層ずつ足す;除去 = 材料を削り取る
例題
1. 立方体の1つの面を押し出しました。頂点、辺、面はいくつになりますか。オイラーの公式で確かめましょう。
1つの面を押し出すと、頂点が4個、辺が8本、面が4枚増えます。V = 12、E = 20、F = 10。確かめ:12 − 20 + 10 = 2 ✓。
2. 高さ4 cmの箱を1.5倍に拡大しました。高さはいくつですか。
拡大はすべての長さに掛けます。4 × 1.5 = 6 cm。
3. 高さ30 mmのモデルを0.2 mmの層でプリントします。何層になりますか。1層に20秒かかるなら、全部で何分ですか。
層の数 = 30 ÷ 0.2 = 150。時間 = 150 × 20 = 3000秒 = 50分。
4. マグカップを作りたいとき、ボックスモデリングではどの操作を使いますか。
円柱から始め、上の面をインセットして下向きに押し出し、中をくり抜きます。横に小さな箱を押し出して取っ手にし、最後に細分化/スムーズをかけます。
よくある間違い
- 3Dモデルを絵だと思うこと。モデルはデータ(頂点、辺、面)で、絵はレンダリングで作られます。
- 押し出しと拡大縮小をごちゃまぜにすること。押し出しは新しい形を足し、拡大縮小は今ある形の大きさを変えるだけです。
- 単位を忘れること。プリント用のCADでは、mm単位の本当の寸法が必要です。
- 層が薄いほどいつも良いと思うこと。なめらかになりますが、ずっと時間がかかります。