トラクター:種類、部品、作業のための装備
トラクターは、引く、押す、持ち上げる、そしてほかの機械を動かす力を出します。種類は、小さな畑向きの2輪(歩行型)トラクター、多くの農場で使う4輪トラクター(2WDまたは4WD)、ぬれた土や重い土向きのクローラ(履帯)トラクター、果樹園向きの細い果樹園用トラクターがあります。
- エンジン(ふつうはディーゼル):出力はkWまたはhpで表します。
- トランスミッションとクラッチ:速さと引く力を選びます。
- PTO(パワーテイクオフ):回転する軸で、ロータベーターやベーラーなどの作業機を動かします。
- 油圧つき3点リンク:作業機を持ち上げ、下ろし、保持します。ドローバーはトレーラーを引きます。
- ROPS/安全キャブ:転倒したときに運転者を守ります。
土づくり、種まき、作物の世話、収穫の機械
土づくりと施肥
一次耕うんは土をくだいて、ひっくり返します。例はてい土板プラウ、ディスクプラウ、チゼルプラウです。二次耕うんは細かい苗床をつくります。ハロー、カルチベーター、ロータベーターなどです。肥料散布機や堆肥散布機は土に養分をあたえます。
種まきと植えつけ
シードドリルは、小さな種(小麦、稲)を連続した列にまきます。精密プランターは、大きな種(トウモロコシ、綿)を1粒ずつ正確な間隔で置きます。移植機は苗(稲、野菜)を植えます。
作物の世話
散布機(背負い式、ブーム式、エアブラスト式)は農薬や液体肥料をまきます。ドローンは小さな畑や坂の畑に散布し、写真をとって病気の株を見つけます。除草機や灌漑システム(点滴、スプリンクラー、センターピボット)も役立ちます。
収穫
コンバインは4つの仕事をします。刈る → 脱穀する → 選別する → きれいにする。ほかにも、刈取機、ポテトディガー、綿摘み機、飼料収穫機、ベーラーがあります。
精密農業、自動運転トラクター、畜産機械
- GPSガイダンスとオートステアは、2〜3cmの精度で列をまっすぐに保ちます。重なりが減り、燃料、種、農薬のむだが少なくなります。
- 可変施用(バリアブルレート)の機械は、土や収量の地図を使って、畑の場所ごとに種や肥料の量を変えます。
- 自動運転トラクターとロボットは運転者なしで働き、センサーとカメラで見守られます。
- 畜産:搾乳機と搾乳ロボット、牛乳の冷却タンク、飼料ミキサーワゴン、自動給水器、換気装置、糞尿かき出し機など。
機械の選び方、作業能率、安全
作業能率(ha/h)= 作業幅(m)× 速さ(km/h)÷ 10 × 圃場効率(約0.65〜0.85。旋回や補給があるため)。
農家は、農場の広さ、土、作物、人手、費用、燃料の使用量、土の健康を考えて選びます。重い機械は土を固める(圧密)ことがあるので、幅広タイヤ、低い空気圧、通る道を決める方法(controlled traffic)が役立ちます。小さな農家は、機械を共有したり借りたりすることが多いです(インドのカスタムハイヤリングセンター、ヨーロッパの協同組合など)。
安全
- 作業機やドローバーに絶対に乗らない。座席は1つ、乗るのは1人。
- 詰まりを取る前に、エンジンとPTOを止めて、キーをぬく。
- ROPSとシートベルトを使う。坂ではゆっくり走る。
- 散布するときはPPE(手袋、マスク、ゴーグル)をつけ、子どもを近づけない。
重要な公式と用語
- 作業能率(ha/h)= 幅(m)× 速さ(km/h)÷ 10 × 効率
- 時間(h)= 面積(ha)÷ 作業能率(ha/h)
- 1ヘクタール = 10,000 m²
- コンバイン:刈る → 脱穀する → 選別する → きれいにする
- 一次耕うん(プラウ)→ 二次耕うん(ハロー)→ 種まき
- 詰まりを取る前に:エンジン停止、PTO停止、キーをぬく
例題
1. 幅3 m のシードドリルが時速6 km/h で進み、効率は0.75です。作業能率はいくつですか。
3 × 6 ÷ 10 = 1.8 ha/h(理論値)。× 0.75 = 1.35 ha/h。
2. そのドリルで27 ha の畑に種をまくと、何時間かかりますか。
時間 = 27 ÷ 1.35 = 20 時間。
3. 幅12 m のブーム散布機が8 km/h で進み、効率は0.7です。1日6時間で何ヘクタール散布できますか。
12 × 8 ÷ 10 × 0.7 = 6.72 ha/h。6.72 × 6 = 40.32 ha。
よくある間違い
- 大きい機械がいつも良いと考えること。重い機械は土を固めるし、小さな農場では元が取れないほど高くつきます。
- シードドリルとプランターを混同すること。ドリルは小さな種を列にまき、プランターは種を1粒ずつ正確な間隔で置きます。
- 圃場効率を忘れること。旋回や補給のため、実際の能率は幅 × 速さより小さくなります。
- エンジンをかけたまま、詰まったPTO機械を掃除すること。必ずエンジンを止めて、キーをぬきましょう。