空気は化合物ではなく混合物
混合物とは、2つ以上の物質が混ざっているだけで、化学反応で結びついてはいないものです。空気は混合物です。どうして分かるのでしょう?
- それぞれの気体の量は変わります。人が多い部屋の空気には二酸化炭素が多く、海の上の空気には水蒸気が多くなります。化合物は、成分の割合がいつも決まっています。
- それぞれの気体は自分の性質を保ちます。空気中の酸素は今でも燃焼を助け、空気中の窒素は今でも助けません。
- 気体は物理的な方法で分けられます。空気を約−200 °Cまで冷やすと液体になります。それをゆっくり温めると、気体ごとに決まった温度で順番に沸騰して出ていきます(分留)。窒素は−196 °C、アルゴンは−186 °C、酸素は−183 °Cで沸騰します。
- 気体を混ぜて空気をつくっても、熱も光も出ません。化合物をつくるときとは違います。
空気にはどんな気体が入っている?
乾燥したきれいな空気では(体積で):
| 気体 | 割合 | おもなはたらき |
|---|---|---|
| 窒素 N₂ | 約78% | 酸素をうすめる。土の中の細菌を通して植物に届く。肥料の原料になる |
| 酸素 O₂ | 約21% | 呼吸と燃焼に使われる |
| アルゴン Ar | 約0.93% | 反応しにくい希ガス |
| 二酸化炭素 CO₂ | 約0.04% | 植物が光合成で使う。熱をためる |
| ネオン、ヘリウム、クリプトン、キセノン | ごくわずか | 希ガス |
水蒸気は量が変わるので表にはのせていません。砂漠ではほぼ0%、湿った熱帯雨林では約4%になります。空気にはほこり、花粉、微生物も運ばれています。
希ガス:性質と用途
ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンが希ガス(18族)です。原子の一番外側の電子殻が満たされているので、ほとんど反応しません。色もにおいもありません。
- アルゴン:フィラメント電球に入れたり、溶接で熱い金属を守って燃えないようにしたりします。
- ヘリウム:とても軽くて燃えないので、気象観測用の気球やパーティーの風船に使います。
- ネオン:電気を通すと赤橙色に光るので、広告のネオンサインに使います。
- クリプトンとキセノン:車のヘッドライトや灯台のランプなど、明るいランプに使います。
空気中の酸素を測る
考え方:決まった体積の空気を閉じこめ、酸素だけを使いきって、体積がどれだけ減るかを見ます。
方法1:鉄をさびさせる
ぬらしたスチールウールを、目盛りのついた管の上のほうに押しこみます。管をさかさまにして水の中に立てます。数日たつと鉄がさびます。さびるときに酸素が使われるので、その分を埋めるように水が管の中へ上がります。水は空気の体積のおよそ5分の1(21%)のところで止まります。
方法2:リンを燃やす(ベルジャー)
水の中に立てたベルジャーの中で、赤リンを燃やします。リンは酸素と反応して白い固体の酸化物になり、水に溶けます。冷えると、水がおよそ5分の1の高さまで上がります。
方法3:熱した銅と2本の注射器
100 cm³の空気を、熱した銅の上を通して2本の気体用注射器の間で行き来させます。銅は酸素をうばって黒く(酸化銅に)なります。冷ましたあと、残りは約79 cm³なので、酸素は約21 cm³だったと分かります。
酸素の割合 =(使われた体積 ÷ はじめの体積)× 100。残った気体ではものが燃えず、火のついた木片は消えます。これは残りがほとんど窒素だという証拠です。
大気汚染:原因・影響・対策
汚染物質とは、空気に加わって、生き物や建物に害をあたえる物質のことです。
| 汚染物質 | おもな発生源 | 影響 |
|---|---|---|
| 粒子状物質(PM2.5、PM10、すす) | ディーゼルエンジン、農作物の残りを燃やすこと、ほこり | 肺の奥まで入る。ぜんそく、心臓病、スモッグ |
| 一酸化炭素(CO) | 空気が足りない状態での燃焼、車の排気ガス | 有毒。血液が酸素を運べなくなる |
| 二酸化硫黄(SO₂) | 硫黄をふくむ石炭や石油を燃やすこと | 酸性雨、呼吸の障害、大理石をいためる |
| 窒素酸化物(NO、NO₂) | 高温の車のエンジン、発電所 | 酸性雨、スモッグ |
| 増えた CO₂、メタン | 化石燃料を燃やすこと、農場 | 熱をためて地球温暖化を起こす |
空気を守るには
- 公共交通機関を使い、自転車や徒歩で移動する。電気自動車やCNG車に切りかえる。
- 車の触媒コンバーターは、COとNOをCO₂とN₂に変える。
- スクラバー(洗浄装置)で発電所の煙から SO₂ を取りのぞく。硫黄の少ない燃料を使う。
- ごみや作物の刈り株を燃やさない。木を植える。大気質指数(AQI)を確認し、悪い日はマスクをつける。
おうちでやってみよう
ぬらした小さなスチールウール(鍋みがき用のもの)を丸めて、背の高いコップの底に押しこみます。コップをさかさまにして、水を入れた皿の中に立てます。水面の高さにテープで印をつけましょう。3日後に見てみます。水は、空気の入っている部分のおよそ5分の1まで上がります。空気中の酸素を測ることができました!(大人の人に手伝ってもらってください。火は使いません。)
重要な公式と用語
- 空気(体積):N₂ ≈ 78%、O₂ ≈ 21%、Ar ≈ 0.93%、CO₂ ≈ 0.04%
- 酸素の割合 =(使われた酸素の体積 ÷ はじめの空気の体積)× 100
- 空気中のある気体の体積 = 全体の体積 ×(割合 ÷ 100)
- 混合物:成分は化学的に結びついていない。割合は変わる。物理的な方法で分けられる
- 希ガス(18族):He、Ne、Ar、Kr、Xe。電子殻が満たされていて、とても反応しにくい
例題
1. 教室に200 m³の空気があります。そのうち酸素はおよそどれだけですか?
酸素 ≈ 200 m³ の21% = 0.21 × 200 = 42 m³。
2. 銅の実験で、100 cm³の空気が79 cm³に減りました。酸素の割合を求めなさい。
使われた酸素 = 100 − 79 = 21 cm³。割合 = 21 ÷ 100 × 100 = 21%。
3. 管に50 cm³の空気があります。鉄がさびたあと、気体が40 cm³残りました。空気の何%が酸素でしたか?本当の値に近いですか?
使われた量 = 50 − 40 = 10 cm³。割合 = 10 ÷ 50 × 100 = 20%。はい、21%に近いです(小さなずれは、目盛りの読み間違いや、鉄が酸素を使いきらなかったことが原因です)。
4. 電球に酸素ではなくアルゴンを入れるのはなぜですか?
酸素だと、熱いフィラメントが燃えて切れてしまいます。アルゴンは希ガスで反応しないので、フィラメントが長持ちします。
よくある間違い
- 空気はほとんど酸素だと言ってしまう。空気のほとんどは窒素(78%)で、酸素は約21%だけ。
- 空気を化合物と呼んでしまう。空気は混合物。成分の割合は変わり、気体は物理的に分けられる。
- 二酸化炭素が空気の大きな部分だと思ってしまう。気候には大切でも、割合は約0.04%だけ。
- 使われた体積ではなく、最後の体積を使ってしまう。酸素の% =(はじめ − 最後)÷ はじめ × 100。