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空調設備のしくみ

セントラル空調では、チラーで冷たい水をつくり、空調機(AHU)が空気をきれいにして冷やし、ダクトで各部屋へ送ります。壁掛けエアコンのような個別方式は1つの部屋だけを受け持ちます。サーモスタットとバルブが冷やす量を調整し、ほどよい設定温度、断熱、インバーター、風量の調整で省エネになります。かんたんな設計式は、風量 V = Q / (rho cp deltaT)、ダクト面積 A = V / v、COP = 冷房能力 / 消費電力です。

🎬 ステップ別ストーリー

  1. チラーが冷たい水をつくります。配管がその水を空調機(AHU)まで運びます。
  2. 部屋のあたたかい空気はまずフィルター(茶色)を通り、次に冷たいコイル(青)で冷やされ、ファンがダクトへ押し出します。
  3. セントラル方式は、1つの設備でたくさんの部屋をまかないます。左にある壁掛けエアコンは、1つの部屋だけを受け持ちます。
  4. サーモスタットが室温をはかり、バルブに知らせます。部屋があたたかいとバルブ(赤)が開き、冷水がたくさん流れます。
  5. 設定温度を1度ずつ上げてみましょう。バルブが閉じ、消費電力は1度につき約6%下がります。
  6. 自由に遊ぼう:室温と設定温度を変えて、バルブと消費電力の動きを見てみましょう。

ヒント:3Dをドラッグすると回せます。2本指で拡大・縮小できます。

🤔 よくある疑問をスッキリ解決

冷たさを運ぶのに、空気だけでなく水を使うのはなぜですか。

水は1リットルあたりに運べる熱が空気よりずっと多いので、配管は細くてすみます。同じ冷たさを空気で運ぶには、ダクトがとても大きくなってしまいます。

コイルの前にフィルターがあるのはなぜですか。

ほこりがコイルをふさぐと、熱が伝わりにくくなります。フィルターはコイルを守り、空気もきれいにします。

セントラル方式がスプリット型よりよいのはいつですか。

部屋が多いときは、1つの設備のほうが管理しやすく、効率も高いことが多いです。1部屋だけなら、スプリット型のほうが簡単です。

バルブがずっと全開のままではないのはなぜですか。

ずっと全開だと、部屋が冷えすぎてエネルギーをむだにします。部屋が設定値に届くと、サーモスタットがバルブを閉じます。

設定温度を低くすると、早く冷えますか。

いいえ。冷やす速さは同じで、運転する時間が長くなるだけです。設定温度を少し高くすると、電力の節約になります。

空調設備の構成

セントラル方式には次の部品があります。

空気の通り道は、部屋の空気、フィルター、コイル、ファン、ダクト、吹出口、部屋の順です。

セントラル方式と個別方式

セントラル方式は、1か所で冷水や冷たい空気をつくり、たくさんの部屋へ送ります。大きな建物に向いています。制御がしやすく、効率が高く、点検も1か所ですみます。ただし、機械室やシャフト(縦の通り道)が必要です。

個別方式(窓用、壁掛け、天井カセット、VRF)は、1つの部屋やゾーンを受け持ちます。値段が安く、取り付けも簡単で、部屋ごとに調整できます。しかし、台数が多いと屋外の音が増え、手入れも大変になりがちです。壁掛けエアコン(スプリット型)は、室内機と室外機を冷媒の配管でつないだものです。VRFは、たくさんの室内機を1台の室外機につなぐ方式です。

空調設備の制御

制御のしくみには、センサー(温度や湿度)、コントローラー、アクチュエーター(バルブ、ダンパー、ファンの回転数)があります。コントローラーは、はかった値と設定値をくらべて動かします。二方弁は、部屋があたたかいほど大きく開きます。ほかにも、ファンの回転数、外気を入れるダンパーの位置、夜に設備を止めるスケジュールなどがあります。

これはフィードバック制御です。はかる、くらべる、動かす、をくり返します。

空調の省エネ

COP = 冷房能力 / 消費電力。COPが高いほど、同じ冷房で使う電気が少なくてすみます。

空調設備の設計

設計の手順:(1) 冷房と暖房の負荷を求める。(2) 設備の容量(kWまたはTR)を決める。(3) 風量を求める V = Q / (rho x cp x ΔT)。(4) ダクトの大きさを決める。面積 A = V / v(事務所では約5 m/s)。(5) 冷水の流量を求める m = Q / (cp x ΔT)、cp = 4.18 kJ/kg K。(6) ポンプ、ファン、制御機器を選ぶ。少しだけ余裕を見ますが、大きすぎる機器は避けましょう。

重要な公式と用語

例題

1. あるエアコンは、電力3 kWで9 kWの冷房をします。COPを求めなさい。

COP = 9 / 3 = 3。

2. ある部屋は6 kWの顕熱冷房が必要で、吹出空気は室温より10 K低いとします。風量を求めなさい。

V = 6 / (1.2 x 1.005 x 10) = 0.4975、約0.5 m3/s。

3. 風量0.5 m3/s、風速5 m/sのとき、ダクトの断面積を求めなさい。

A = 0.5 / 5 = 0.1 m2。

4. コイルが84 kWの熱を取り除き、水が5 K温まります。水量を求めなさい。

m = 84 / (4.18 x 5) = 4.02 kg/s、約4 L/s。

5. ある機器は1か月に900 kWh使います。設定温度を2度上げます。電気代は1 kWhあたり8です。1か月の節約額を求めなさい。

節約は12% = 108 kWh。金額は 108 x 8 = 864。

よくある間違い

練習クイズ

1. 冷たい水をつくる機器はどれですか。
2. 空調機(AHU)の中の空気の通り道はどれですか。
3. COPが4とは、どういう意味ですか。
4. 設定温度を1度上げると、約何%節約できますか。
5. 壁掛けエアコン(スプリット型)が受け持つのはどれですか。

練習:自分で答えてみよう

答えを入力するか選んで、「チェック」を押そう。困ったらヒントを見てね。解答は答えたあとに表示されます。

よくある質問

チラーと空調機(AHU)はどうちがいますか。

チラーは冷たい水をつくります。AHUはその水をコイルで使って空気を冷やし、その空気を各部屋へ送ります。

よいCOPとはどのくらいですか。

最近の機器のCOPはおよそ3〜6です。数字が大きいほど効率がよいということです。

VRFとはどういう意味ですか。

可変冷媒流量(Variable Refrigerant Flow)の略です。1台の室外機がたくさんの室内機につながり、負荷に合わせて冷媒の流れを変えます。

学ぶ場所

Japan高校(専門学科)1〜3年Air-Conditioning Systems

先に学ぼう