コンクリート構造
コンクリートは、セメント、砂、小さな石(骨材)、水を混ぜたものです。はじめはどろっとしたペーストですが、固まると石のようになります。
力には大きく2種類あります。圧縮は押しつぶす力、引張は引きのばす力です。コンクリートは圧縮にはとても強いのですが、引張には弱く、耐えられる引張は圧縮のおよそ10分の1しかありません。
そこで無筋コンクリート(鉄を入れないコンクリート)は、おもに押される場所に使います。たとえば基礎、厚い壁、重力式ダム、水路の内張り、固い地盤の上の農道の舗装、小さな堰(せき)などです。
無筋コンクリートは曲がるとひびが入ります。だから厚くて短く作り、細長いはりには使いません。
鉄筋コンクリート構造(RC)
はりが曲がると、下側は引っ張られ、上側は押されます。引っ張られる側の近くに鉄筋(棒状の鉄)を入れます。鉄は引張に強い材料です。コンクリートは鉄筋を固定し、押す力を分けて受け持ち、鉄筋をさびから守ります。
なぜうまくいくのでしょうか。コンクリートは鉄筋をしっかりつかみます。さらに、暑さや寒さで伸び縮みする量がほぼ同じなので、2つは一体のように働きます。
鉄筋のまわりには、かぶりと呼ぶコンクリートの層が必要です。かぶりが水や空気を防ぐので、鉄筋はさびません。ふつうのかぶりは2〜5cmほどで、貯水槽ではもっと厚くします。
農場でRCを使うのは、貯水槽、サイロ、橋、カルバート(暗きょ)、水路のゲート、落差工、牛舎の床、はりと床板でできた建物などです。
鉄骨構造
鉄骨構造は、山形鋼、溝形鋼、H形鋼などの圧延した鋼材を、ボルト、リベット、溶接でつないだものです。鋼は押す力にも引く力にも強い材料です。
長所は、重さのわりに強いこと、早く組み立てられること、長い距離をかけ渡せること、古い部材を再利用できることです。短所は、塗装や亜鉛めっきをしないとさびること、高温の火事で強さが落ちること、細長い部材は押されると横に曲がる(座屈する)ことです。
トラスは、棒を三角形につないだ骨組みです。三角形は形が変わらないので、骨組みはかたく安定します。農場では、温室や牛舎の骨組み、穀物サイロ、貯水塔、スプリンクラー管の支え、門などに使われます。
3つの選び方
- おもに押される、重くてよい、長持ちさせたい:無筋コンクリート。
- 曲がる、水圧がかかる、強くて長持ち、あとで動かさない:RC。
- 長い距離をかけ渡す、軽い、早く作る、あとで移したり広げたりするかもしれない:鉄骨。
ほかにも、費用、地元で手に入る材料、下の土の性質、何年使いたいかを考えます。
やってみよう:ビスケットの実験
乾いたビスケットを用意します。手のひらではさんで平らに押してみましょう。なかなかつぶれません。次に両端を持って曲げてみましょう。少し曲げただけで折れます。ビスケットはコンクリートに似ていて、押されるのには強く、曲げには弱いのです。今度は、粘土の板の下側に細い棒をはりつけて乾かし、曲げてみましょう。もう少し長く耐えます。この棒が鉄筋の役目をしています。
重要な公式と用語
- 圧縮=押す力; 引張=引く力
- 無筋コンクリート: 圧縮に強く、引張に弱い
- RC = コンクリート + 引張側の鉄筋
- かぶり = 鉄筋のまわりのコンクリート層(さびを防ぐ)
- 鋼: 押しにも引きにも強い; 重さのわりに強い; さびと座屈に注意
例題
1. 固い地盤の上にある農道の舗装は、車に真上から押されるだけです。無筋コンクリートとRC、どちらを使いますか。
地盤が舗装を全面で支えるので、ほとんど曲がりません。軽い交通なら無筋コンクリートで足ります。ひびを抑えるために、細い網状の鉄筋を少し入れることもあります。
2. 水路にかかる橋は、2つの壁の上にのったはりです。はりのどちら側が引っ張られ、主鉄筋はどこに入れますか。
2つの支えの上のはりは、下向きに曲がります。下側が引っ張られるので、主鉄筋は下の近くに入れます。
3. 片持ちばり(片方の端を固定し、もう片方は自由なはり)に荷重がかかります。主鉄筋はどこに入れますか。
片持ちばりは上側が引っ張られるように曲がります。だから主鉄筋は、固定された端の近くの、上の近くに入れます。
4. 農家の人が、中に柱のない幅12mの小屋を早く建てたいと考えています。どの構造がよいですか。
鉄骨のトラス構造です。軽くて、長い距離をかけ渡せて、早く組み立てられます。
5. はりの幅は300mmで、両側に40mmのかぶりが必要です。かぶりとかぶりの間の幅はいくつですか。
300 - 40 - 40 = 220 mm。
6. 無筋コンクリートは、引張が1 mm2あたり3 Nまでならひびが入りません。はりの下側には1 mm2あたり5 Nの引張がかかります。ひびは入りますか。どうすれば防げますか。
5は3より大きいので、ひびが入ります。鉄筋が引張を受け持てば、コンクリートが引張に耐えなくてよくなります。
よくある間違い
- コンクリートはどんな力にも強いと思うこと。強いのは押されるときだけです。
- 単純支持のはりで、鉄筋を真ん中や上に入れてしまうこと。鉄筋は、引っ張られる下側の近くに入れます。
- かぶりが足りなくて鉄がさび、コンクリートが破裂すること。
- 鉄は絶対に壊れないと思うこと。細い鉄は座屈し、さびて、火事で強さが落ちます。